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法人税法22条の2が創設

 法人税法22条は、所得の金額の計算の通則を定める規定であり、法人税において最も重要な条文ですが、平成30年度税制改正において法人税法22条4項が改正されるとともに、新たに「法人税法22条の2」が創設されることになりました。

 これは、企業の売上の計上ルールを変える新たな会計基準「収益認識に関する会計基準」の開発を受けたものです。

 

 新法人税法22条の2では、第1項で、資産の譲渡等に係る収益の額は、原則として「その資産の販売等に係る目的物の引き渡し又は役務の提供の日」の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入されることが明記されます。

 

 法人税基本通達2-1-1「たな卸資産の販売による収益の額は、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入する」や2-1-14「固定資産の譲渡による収益の額は、別に定めるものを除き、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入する」の記述からも現行法人税法が「引渡基準」を原則としていることが分かりますが、税務判決等の中には、「権利確定主義」に基づいて収益の額の計上時期を決めるべきであるとの判示を行ったものもあります。

 新法人税法22条の2第1項では「引渡基準」が採用されており、過去の裁判の判示が一見否定されているという見方もあります。

 

 その一方で、第2項では資産の譲渡等に係る収益の額について「一般に公正妥当と求められる会計処理の基準に従って当該資産の販売等に係る契約の効力が生ずる日」等の属する事業年度の確定した決算において収益として経理した場合には、第1項の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入することとされています。

 この第2項は、特例的に「権利確定主義」を法制化するものと解釈される可能性もあるようです。

 しかも、第2項が“できる規定”でないとすれば、会計上、収益を計上した場合、税法上も益金を計上しなければならなくなり、従来の法人税の取り扱いが変わる可能性もあります。

 

 数年前には、税理士試験において、法22条の問題が3年ぐらい連続で出題されていた時期がありました。この法22条の2の創設を知り、時代を読み取り、法が改正されていく一側面が感じられました。

 

 実務家のひとりとして、法改正に常に敏感に向き合いたいと思うとともに、お客様に情報をいち早く提供していきたいと思います。

 


2018年02月16日

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